書籍紹介第四回目は、「ツキ」の科学 運をコントロールする技術です。投資で成功するために一番重要なのは運である、という持論をこのブログで主張してきましたが、その考えの元となっている本です。

 はじめに断っておきたいことですが、これからする話は決してオカルト話ではありません。私自身、理系出身で職業はエンジニアですから、自然科学の有用さを人並み以上に理解していると思っています。その上で、投資で人並み以上に成功するには自然科学的(理性的)アプローチだけでは不十分だと感じ、心理学の本や、理系人間からすると、かなり怪しげな本に思えるこの本を読むようになりました。


まず、運とは何であるかについての考察が長々と書かれており、興味深いことは確かですが、ここはそんなに真剣に読まなくてもいいかも知れません。単純なランダムを制御すること、例えばコインを投げて表か裏かを5割以上の確率で当て続けることは、不可能だと思いますし、できると主張するのは単なるオカルトだと私は思います。著者は肯定も否定もしていないようですが。



この本の核心は - 第4部 運を良くする方法 - にあります。運をコントロールすることは本当に可能であるか…著者が話を聞いた、1000人以上の運がいい人に共通する特徴として5つ述べられています。第4部から、特に役立つと思い私が実践している内容をピックアップして紹介します。



運の良い人は勇気がある(第4部第3章)

ここでは勇気ある行動によって幸運を掴んだ人々の例を挙げ、彼らに共通する3つのルールを抽出しています。

勇気があることと向こう見ずなことは同じではありません。ただし、一歩踏み出すのに100%の確証はいらないと思います。人生に失敗はつきものですし、「考えすぎて何も選ばないのが一番いけない」という状況に陥ることは避けなくてはなりません。ある企業について時間をかけて研究し、今後の業績が明るいと確証が持てたとしても、そのころにはその株はすでに買われてしまっていることでしょう。



運がいい人はラチェット効果を働かせる(第4部第4章)

ラチェットは定められた方向と逆には動かないようにする装置のことです。人生が悪い方向に転がり始めた場合、それを止めるのは一般に難しいことです。ここでは、ラチェットをうまく働かせて、悪い流れを断ち切り、運を掴むためにはどうするべきか、述べられています。


私は、銘柄選択において、悪い方向に動き出したとき、大きなダメージを受ける前に逃げ出すことができる銘柄を選ぶようにしています。具体的には、月次の売上や利用実績等の情報が入手できる銘柄を好みます。ユナイテッドアローズ、アークランドサカモト、スターフライヤーなどです。


上記のような銘柄の場合、毎月の数値から、今期の業績がだいたい予想できるので、雲行きが怪しくなった場合は早めに撤退できます。個人投資家にとって情報が乏しい銘柄だと、なぜかわからないが株価が下がり始め、四半期決算のときに始めて業績悪化が判明し、そのときにはすでに株価下落により大きなダメージを受けている…というパターンにはまりやすいのです。


ダメージを最小限にしながら、有望な銘柄をいくつかもっていれば、幸運なことに、急成長して大化けする銘柄にいつかめぐりあえることでしょう。





私が今後の長い投資家人生で身につけたい、運を見方にする技術、それは直感力です。

運の良い人は直感力が強い(第4部第2章)

で、直感とは何か、それを鍛えるためにはどうすれば良いかが述べられており、非常に参考になります。「直感は情報の山から生まれる」「願望と直感を混同してはならない」など納得できる説明が多く、印象的な章でした。

投資をするかしないかの判断を下すとき、情報が多すぎて、完璧に合理的に判断しようとするのには土台無理があります。謙虚に運の力を認め、運を見方につけられる投資家になりたいものです。