今年も残すところ一ヶ月となりました。節税のために、利益の出ている銘柄を今年のうちにいったん売却し、再び買い直すという「節税クロス取引」を実行した、あるいは検討中の方も多いと思います。


  • 前回(その1)の結論

今後さらに2.25倍以上に値上がりしないと思うのであれば、いったん利益確定したほうがお得、という定説を検証しました。

その結果、配当金も考慮して長期保有すれば、2.25倍以下の値上がりでも継続保有が有利だという机上の空論を展開するに至りました。

今日は、私が節税クロス取引しない理由を、自身の保有株を自分の理論に適用して示したいと思います。


  • 実際に適用してみた

私の現在の保有株で含み益が大きい銘柄は、トラストテック、ナック、ハブですので、これらに私の考え方を適用してみます。

まず、トラストテックです。配当利回りは税引後で3.5%を仮定しました。現在税引前で3.7%あり、この水準が続くと考えました。なお、一年前のJASDAQ時代は5%以上ありました。
年間成長率は20%前後と予想されますので、株価上昇率も20%としています。20%成長予想は、2013年9月18日に出されたアナリストレポートの内容からで、20%前後の安定成長と、2017年6月期に売上高300億円企業となる会社目標を支持するものです。

2017年6月期まで保有して売却する場合に、いったん今年中に利益確定して買い直したほうがいいか、そのまま保有がいいか、以下の通り計算しました。

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2017年に売却した場合の現金合計(赤色セル)は、そのまま保有のほうが大きい結果となりました。よって、安易にクロス取引すべきではありません。この例だと、2017年時点での現在株価からの上昇率は 
2,239 ÷ 1,080 = 2.07倍
です。よく言われる2.25倍に達しなくてもそのまま保有が有利です。


次に、ハブについては爆発的な成長は見込めないものの、かなり安定して長期的な成長が期待できます。出店余地もまだまだあり、意図的に年間10%の店舗増に抑えていますので、質の高い店を出し続けられると考えています。

ここでは、「ハブに投資している理由」で書いた2022年までの成長予想を使います。
結果は以下の通り、クロス取引せずそのまま保有が有利となります。

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トラストテックと比べて、配当利回り、株価上昇率もかなり低い予想ですが、それでもそれが長期的に続くという自信があるのであれば、迷わずホールドすべきだということです。


最後にナックですが、計算例は省略します。何度か書いているように、年間10%以上の成長を期待して長期保有前提で保有していますのでクロス取引不要です。(「ナックが反発もまだまだ安い、安心の長期保有銘柄」参照。記事を書いた後株式が2分割されています。)


  • 突っ込みどころ満載?

面倒くさい計算をした結果、トラストテックもハブも、そのまま保有すべきという結果になってしまいました。読者の皆さんの中には、小さな差しかないから、どっちでもいいのでは?あるいは、株価が下落するリスクも考えたら、将来の儲けが少しくらい減っても利益確定しておくべき、と考える方も多いでしょう。その通りだと思います。リスク許容度は人によってまちまちですので。

注意すべきことは、ここでは、「数年後にその銘柄を売る」という前提でクロス取引とそのまま保有とどちらが有利か検討しただけということです。数年後でも、株価が明らかに割高な水準でなく、まだまだその企業が成長しそうだと思えるならば、もちろん売ることはありません。その場合は、クロス取引とそのまま保有の差はますます、指数関数的に広がっていくのです。

儲けるときは大きく、を心がけている私はそのまま保有する道を選ぶことにします。


  • 結論

長期投資家は、節税クロス取引をやるべきではない。(と思う)

なお、この記事を書いた感想は次の通りです。

・そもそも節税クロス取引をやるべきと診断されるような銘柄を長期投資家は買うべきではない
・すでにそのような銘柄を買ってしまっているなら、売って他の銘柄に乗り換えるべき

それでは、今年残り一ヶ月の投資生活を楽しみましょう!