久々の書籍紹介。今回で第9回目になります。

私は投資本をこれまでにたくさん読んでいますが、それらのほとんどを古本屋で購入しています。書店の投資本コーナーに並ぶ比較的新しい投資本はほとんどがゴミだと思っているので、中古が出回っている名著をたくさん読むほうが圧倒的にコストパフォーマンスがいいからです。

でも今日は珍しく新刊を紹介したいと思います。



他の投資本とここが違う! 

「勝てるROE投資術」というように、人を食ったようなタイトルこそついていますが、立ち読みをしてすぐに巷にあふれるゴミのような投資本とは違うとわかりました。

「○億円稼いだ方法」などという本が、根拠のない儲けのテクニックを並べているのに対し、この本には楽に儲ける方法は書いていません。過去のデータをわかりやすく整理しながら、日本株に限って言えば、高ROE株への投資は儲からない(正確には儲からなかった)と述べています。単にデータを示すだけではなく、鋭い考察がなされており、この部分だけでも読む価値があります。


では、タイトルにもある勝てる投資術とは何なのか、ということになりますが、この世は不確実であるという前提のもと、
少しでも儲かる可能性の高いときに、少しでも儲かる可能性の高いものに投資を行うことが肝要である。
という当たり前のことを主張されています。


私が思うに著者の最大の主張は

少しでも儲かる可能性の高いときというのはまさに今のことで、少しでも儲かる可能性の高いものとはROEの高い企業である

ということです。

高ROE株は儲からないと言っておいて何なのかと混乱するかもしれません。詳しくは是非本を手に取って読んでいただければと思いますが、その理由は納得できるものでした。

過去に高ROE株が儲からなかったという事実は、今後も高ROEが儲からないということとは全く関係がありません。それをよく承知した上で、真っ当に考えて将来を予測するしかないのだろうと思います。


投資する価値の低い企業を、たくさん上場させ続けてしまったことへの反省をすべきときが今まさに来ていると言えるでしょう。市場は投資家の力でよいものに変えることができるし、そう努力すべきなんだなと思いました。我々投資家自身が、日本の企業のROEを高めて、持続させるため努力を惜しまないことで、高ROE株への投資が報われる時代がやってくるのでしょう。


私の投資法との関係


お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、私は高ROE株に投資するのが好きで、実際に現在の保有株のROEは平均的な日本企業のROEを上回っています。現在の投資法に自信を深める結果となりました。

高ROE株の集合体が高いパフォーマンスを出さないのは事実だが、高いパフォーマンスを出す一部の(真の?)高ROE株を見つけることは可能だと確信したこと。そして「国策に売りなし」という投資格言も後押ししてくれているということ。この二点がその理由です。


高いROEを持続できる企業が高いリターンを生むのは間違いありません。重要なのは言うまでもなく、高いROEを持続できる企業を一体どうすれば見つけることができるのか、ということですが、そのヒントが本書にはちりばめられています。

理念もなく、利益も稼げない企業は市場から退場させるべきです。(それを妨げるインデックス投資は嫌いです)
日本の市場は遅れながらも、少しずついい方向に動いていると思います。

いつも意識しておきたいと思った一文がありました。
実業と理念のバランスは、資本主義の要諦である。

オススメしたい読者層 

文章は平易で読みやすく例え話もわかりやすく、好き嫌いはあると思いますが、著者はちょっとしたユーモアのセンスをお持ちのようです。一方で、書いている内容は投資初心者には高度だと思います。

この本を読んで何を言っているのかわからなければ、読解力不足ではなくて、投資の勉強不足だと言うことが明らかになりますので、そう言う意味で投資初心者にこそ有用なのかも知れません。とっつき易いとは思いませんが、わからなければ他の本なりインターネットで勉強を続けましょう。まずはROE(自己資本純利益率)とは何かを理解しましょう。いつか後で読み返してわかる時がきます。

他の怪しい投資本にまみれて忘れ去られるのは惜しいと思い、紹介させていただきました。売れるタイトルをつけるのは出版社として当然のことなのかも知れませんが、それにしてもなんとかならなかったのかなあ…