昨日の続きです。

銘柄A→売上高400億円、純利益10億円、時価総額100億円
銘柄B→売上高100億円、純利益20億円、時価総額100億円

私なら銘柄Aに魅力を感じるのですが、その根拠は以下の通りです。


銘柄A→PSR 0.25倍
銘柄B→PSR 1倍


PSRとは、聞きなれない方も多いと思いますがPrice Sales Ratio(株価売上高倍率)のことです。「株価÷1株あたり売上高」、あるいは「時価総額÷売上高」で定義されます。
 
銘柄Aで説明すると、売上高400億円のビジネスがなんと75%OFFの100億円で売っているということになります。PERは10倍と決して激安とまでは言えないのになぜ?となりそうですが、それは利益率が著しく低いからです。PERに加えてPSRを導入することで、利益率の平均回帰性を利用したバリュエーションが可能となるのです。


私はインデックス投資信者ではありませんが、インデックス投資が平均的なリターンを約束してくれるという点で、多くの個人投資家にとって有効な手段であることには肯定的です。なぜなら市場参加者の大半がプロ(機関投資家)である以上、市場平均とはプロたちの平均でもあるからです。ハイレベルな競争となるので、一人のファンドマネージャーが何年も連続して市場平均に勝ち続けることは稀であり、通算成績を観察すればいずれ平均に回帰していくのです。


ビジネスの世界も似たようなものだと考えられます。プロの経営者たちが切磋琢磨しているため、一企業が何年も連続して業界平均以上の利益率をあげ続けるのは稀であり、いずれ平均的な利益率に回帰していくものです。ボロい商売をやっているとわかれば新規参入してくる企業も現れるでしょうし、自社の利益率が低いという自覚があれば徹底的なコストカットにより利益率を高めていくことでしょう。

利益率を大きく向上させてくれるような新商品開発だってまぐれの産物です。特定の企業だけが連続して画期的な商品を生み出すことは稀ですし、もしそんな企業があってもすでに高PERかつ高PSRでしょうから投資先としてはあまり魅力的ではありません。



というわけで、今利益率の低い銘柄Aはこれから利益率が改善されていくと考えられ、もし売上高が増えなくても利益率5%というありきたりな数字を達成するだけで純利益は2倍の20億円となってしまいます。PERがそのままだとすると株価は倍になるでしょうし、もっと利益が伸びると勘違い(?)されればもっと高いPERで評価されることすらあり得ます。

逆に銘柄Bのような純利益率20%を維持するのは並大抵のことではありません。売上高のもっと大きな大企業に価格競争に持ち込まれるなどされたら急速に利益を減らすことでしょう。


銘柄分析をやるときに上記のようなストーリーが描けるのであれば、あなたもPSR使いの仲間入りです。


売上のないところから利益は生まれません。そういう意味で、売上は利益より優先されて当然だと思うのですが、株式投資の世界ではPSRよりPERのほうが地位が高いようです。

私は知れば知るほどPSRに魅せられていますが、次回はそれをどのように使っているのかを紹介したいと思います。

つづく

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