株でサラリーマン卒業

株価の動きに惑わされない投資法とは

PER

株式益回り普及委員会

PERの逆数は株式益回りと呼ばれます。

例えば、PER15倍であれば株式益回りは1/15 = 6.67%となります。

不動産投資や債券投資などでは利回りという言葉は一般的ですが、株式投資の世界ではなぜか逆数のPERばかり使われるのはなぜでしょうか。

でも、配当利回りはよく使われます。個人的には、配当利回りとPERを並べて書かれると違和感を感じますので、株価配当金倍率(PDR=Price Devidend Ratio)なる用語を作るか、PERを使うのをやめるかしてほしいくらいに思っています。

そして、配当こそが投資家の利益であり、株式益回りの意味がわからないという人をよく見かけます。(こういう人は大抵目先の利益が大好きだ)


今日は、株式益回りという言葉をもっと普及させるため、それが他の投資分野における利回りと同じなんだという説明をしたいと思います。簡単のため、税金を無視します。


①株式投資の場合
株式益回りが6.67%であれば、15年で元が取れる計算になります。(PER15倍)
例えば、100株150万円の株を1000株買って、EPSが100円というケースです。

仮に、企業が稼いだ利益を全部配当に回す(=配当性向100%)なら株式益回り=配当利回りです。ただし、EPSを維持したまま15年も配当性向100%を続けられる企業は存在しないと思われます。利益の一部を内部留保として設備投資等に使うのが通常です。したがって、配当として投資家の手元に入ってくる現金を15年分足し合わせても元をとれないのですが、内部留保に回った利益が企業のEPSを維持するのに使われていれば、その株式をそれなりの価格で売却できますからそれを考慮すると最終的に利益が出る可能性があります。


②不動産投資の場合
実質利回りが6.67%であれば、15年で元が取れる計算になります。
例えば、1500万円でマンションを買って、毎年の利益が100万円というケースです。

家賃収入から諸経費を引いたものが投資家の利益です。最初の一年はその利益がまるまる手元に残りますから、配当性向100%の株を保有しているようなものです。ただし、修繕費などの追加費用無しで15年も同じ家賃を取り続けられる大家さんは存在しないと思われます。利益の一部を修繕費等に使うのが通常です。したがって、不動産投資の利益として投資家の手元に入ってくる現金を15年分足し合わせても元をとれないのですが、修繕費がマンションの家賃を維持するのに使われていれば、そのマンションをそれなりの価格で売却できますからそれを考慮すると最終的に利益が出る可能性があります。



やや無理矢理ですが①、②を同じ流れで書くことができました。株式益利回りは他の金融商品で使われる利回りと似たものだとわかります。①、②どちらも、15年保有した後売却したとして確実に元を取れるとは言っていません。"出口戦略"次第で投資のリターンは当初の利回り以上にも以下にもなります。以上、当たり前の話でした。


"出口戦略"は投資家の腕の見せ所ですが、一般的に株式投資の方が不動産投資より"出口戦略"をたくさん経験できるので好きです。
 

PERによる銘柄選定とそれを補う指標について [実践編]

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昨日の続きです。今日で一旦この話は打ち切ります。

PERとPSRを使ったスクリーニング例

私のおすすめは以下の基準です。

PER 10倍以下 かつ PSR 1倍以下

PSRは会社四季報や投資情報サイトには通常掲載されていませんが、PER×純利益率=PSRという関係を使えば、PER5倍で利益率5%ならPSRは0.25倍でOK、PER8倍、利益率15%ならPSR1.2倍なのでNGといった具合に判定できます。


例えばPER5倍というのはかなり低いですが、それだけで飛びつくのは危険です。今の利益率が例外的に高いことが原因でPERが押し下げられている可能性があります。PSRを組み合わせることで、異常に高い利益率の銘柄を自動的に避けることができます。

PER10倍、利益率10%、PSR1倍という銘柄Aはボーダーライン上にあり、良くも悪くもないように感じます。

心理学との関係

PERによる銘柄選定に代表されるバリュー投資には、今は割安な株式もいずれ妥当な価格で評価されるはずだという前提があります。私が行っているPSRによる銘柄選定ではいずれ利益率かPER、あるいはその両方が上がるはずだという前提で投資します。


二つに共通するのは、「いずれ」というのがいつのことかわからないことです。


裏を返せば、いつ上がるかわからないからこそ、敬遠され、安値で放置されていると見ることもできます。人は利益を目の前にすると、そこに小さな損失の可能性しかない場合でも、利益の確保を優先してしまいます。逆に損失を目の前にすると、その裏に大きな利益の可能性があっても損失の回避を優先してしまします。(注1)

人間の心理が、いわゆる「岩の心電図」(注2) 状態の株価チャートを作り出すのです。

これは自然の摂理であり、絶対に覆ることはないと確信できたとき、万年割安放置されている株や低い利益率で低空飛行を続けている銘柄にこそ魅力を感じるようになってきます。たまたま発見した銘柄が岩の心電図状態に陥っており、かつPERと PSRが上記の基準にあてはまるのであれば、自信をもって買い進められます。


注1) ピンとこない方は「プロスペクト理論」を調べてみてください。
注2) 岩の心電図については「ピーターリンチの株で勝つ」を是非読んでみてください。

やるなら企業の成長+αを狙え


株式投資は長期的に考えると企業の利益成長からリターンを得るものですが、PSRが低い株を狙うことで、企業の利益成長率以上のリターンを得る権利を得られます。保有期間中のPSRの上昇分が、企業の利益成長によるリターンにプラスされるからです。このリターンの源泉は何かと言うと、PSRを低いまま放置した人間、つまりリスクを過度に嫌った人々の財布です。(この人たちは、いざ株価が上がり始めると慌てて戻ってきて高値掴みをすることで、低迷する株価に耐え続けた投資家にリターンをもたらすことになります)

リスクをとらない人は株式市場を介してリスクをとる人にお金を支払っているようなものです。

長い目で見ればリスクは取ったもの勝ちだと信じており、これからもこの考えを曲げないつもりです。

関連記事


PERによる銘柄選定とそれを補う指標について [PSR入門編]

昨日の続きです。

銘柄A→売上高400億円、純利益10億円、時価総額100億円
銘柄B→売上高100億円、純利益20億円、時価総額100億円

私なら銘柄Aに魅力を感じるのですが、その根拠は以下の通りです。


銘柄A→PSR 0.25倍
銘柄B→PSR 1倍


PSRとは、聞きなれない方も多いと思いますがPrice Sales Ratio(株価売上高倍率)のことです。「株価÷1株あたり売上高」、あるいは「時価総額÷売上高」で定義されます。
 
銘柄Aで説明すると、売上高400億円のビジネスがなんと75%OFFの100億円で売っているということになります。PERは10倍と決して激安とまでは言えないのになぜ?となりそうですが、それは利益率が著しく低いからです。PERに加えてPSRを導入することで、利益率の平均回帰性を利用したバリュエーションが可能となるのです。


私はインデックス投資信者ではありませんが、インデックス投資が平均的なリターンを約束してくれるという点で、多くの個人投資家にとって有効な手段であることには肯定的です。なぜなら市場参加者の大半がプロ(機関投資家)である以上、市場平均とはプロたちの平均でもあるからです。ハイレベルな競争となるので、一人のファンドマネージャーが何年も連続して市場平均に勝ち続けることは稀であり、通算成績を観察すればいずれ平均に回帰していくのです。


ビジネスの世界も似たようなものだと考えられます。プロの経営者たちが切磋琢磨しているため、一企業が何年も連続して業界平均以上の利益率をあげ続けるのは稀であり、いずれ平均的な利益率に回帰していくものです。ボロい商売をやっているとわかれば新規参入してくる企業も現れるでしょうし、自社の利益率が低いという自覚があれば徹底的なコストカットにより利益率を高めていくことでしょう。

利益率を大きく向上させてくれるような新商品開発だってまぐれの産物です。特定の企業だけが連続して画期的な商品を生み出すことは稀ですし、もしそんな企業があってもすでに高PERかつ高PSRでしょうから投資先としてはあまり魅力的ではありません。



というわけで、今利益率の低い銘柄Aはこれから利益率が改善されていくと考えられ、もし売上高が増えなくても利益率5%というありきたりな数字を達成するだけで純利益は2倍の20億円となってしまいます。PERがそのままだとすると株価は倍になるでしょうし、もっと利益が伸びると勘違い(?)されればもっと高いPERで評価されることすらあり得ます。

逆に銘柄Bのような純利益率20%を維持するのは並大抵のことではありません。売上高のもっと大きな大企業に価格競争に持ち込まれるなどされたら急速に利益を減らすことでしょう。


銘柄分析をやるときに上記のようなストーリーが描けるのであれば、あなたもPSR使いの仲間入りです。


売上のないところから利益は生まれません。そういう意味で、売上は利益より優先されて当然だと思うのですが、株式投資の世界ではPSRよりPERのほうが地位が高いようです。

私は知れば知るほどPSRに魅せられていますが、次回はそれをどのように使っているのかを紹介したいと思います。

つづく

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